BlenderでMMDモデルを作成 #7【POSE:T→A】


はじめに

前回の投稿で、モデルの動作確認をMMDで行ました。

作成中にモデルのポーズを「Tポーズ」から「Aポーズ」に変更していたのですが、それについて何も触れていませんでした。

ですので、今回のテーマは「TポーズからAポーズへ変換」です。

尚、記事の内容については正確性を保証致しません。「解説」ではなく、個人のメモ、備忘録のような情報としてお読みください。
また、以下の環境でモデルの作成を行っています。

ソフト、アドオン
Blnender2.83LTS
MMD Tools2.4.0
PmxEditor0.2.5.7

各機能や設定についてハイライトで色を分けています。

  • Blenderの機能・設定
  • MMD Toolsの機能・設定
  • MMD Toolsの機能で作成されたもの

TポーズをAポーズに変換

問題点

今回のモデルは制作を始めた時点では「Tポーズ」で作業を進めていました。

「Aポーズ」モデルを対象とした.vmdを読み込み、作成中の「Tポーズ」モデルを躍らせてみましたが、動きに問題がありました。

参考動画を作成しました。

左側が「Tポーズ」、右側が正しい「Aポーズ」です。

腕のボーンの初期位置の差が表れていますね。
推測に過ぎませんが、MMDでは、移動後の位置ではなく、移動前後の距離で各ボーンの演算がなされているのではないか、と思います。

故に、モデルのデフォルトのポーズが.vmdの想定と異なっていると、期待した振り付けのダンスは踊ってくれない、ということになるようです。

わたしが勉強不足なだけで、「0フレーム目のポーズを初期位置とする」ような設定をMMD上でできるのでしょうか?

ちょっとわかりませんが、Blenderでモデルのデフォルトポーズを編集する方法を知ることは今後も役に立つと思うので、今回試してみた次第です。


作業

順に進めていきます。

レイヤーを分ける

「Aポーズ」を作る際、付与親と「回転付与」される「Dボーン」を同時に選択して移動させると、その位置にズレが生じます。
画像がその例です。

この状態をを防ぐため、「Dボーン」のレイヤーを別に移します。

①「ポーズオプション」「X軸ミラー」を有効化

この段階で行う必要はないかもしれませんが、忘れる前に済ませておきます。

②腕系統の「Dボーン」を全て別レイヤーに移動

各「Dボーン」を別のレイヤーに移していきます。

今回は空いていた第2レイヤーに移した

この作業は編集モードでも可能です。

編集モードとポーズモードで以下の特徴があるようです。

モードクリックで選択されるボーンレイヤー移動へX軸ミラーが影響
編集
ポーズコンストレイント設定有りが優先×

編集モードであれば、対称のボーンも自動で同じレイヤーに移動されます。

しかし、ポーズモードでは、X軸ミラーが有効であっても、選択したボーンのみレイヤーが移動されるようです。
ただ、マウスクリック時にコンストレイント設定が有るボーンを優先的に選択する傾向があるようなので、ボーンを選びやすいです。

個人的にはポーズモードで選択する方が楽に感じました。

第1レイヤー
第2レイヤー

「Aポーズ」を作る

③編集モードで『左腕』ヘッドを選択し3Dカーソルを移動

『左腕』ヘッドを選択後、「Shift」+「s」キーから「カーソル → 選択物」で移動させます。

④「ピボットポイント」を「3Dカーソル」に指定

腕の先端に各「IK」ボーンが存在するので、これらのボーンも同時に移動させる必要があります。
肩の位置を中心として選択したボーンが回転すれば、それぞれの位置関係は変らずに移動ができると考えました。

⑤『左腕』から先のボーンと腕系統の「IK」ボーンを全て選択

「Dボーン」ではなく第1レイヤーのボーンを選択します。

肩周辺の基準位置を変更する必要はないと感じたので、腕から先のボーンのみ選択しました。

⑥選択したボーンをY軸で回転させる

Y軸で45度回転させます。値は直感です。

狙い通り、各ボーン間の位置関係は変らずに移動できました。

「IK切替え」をした方が良いのか?と思いましたが、「IK」をOFFにしなくても問題はないようでした。

「Aポーズ」をデフォルトに設定

⑦既存の「アーマチュア」モディファイアを確認

画像は「ケージ」でモディファイアが反映されていない状態です。メッシュの頂点は移動していません。

「リアルタイム」「編集モード」の反映もOFFにします。

画像を見てわかるのは、この時点では実際のメッシュオブジェクトの形状は変わらず「Tポーズ」のままである、ということです。

ボーンを移動させメッシュを変形させた結果を一度実際に反映させる必要がありそうです。

⑧新規の「アーマチュア」モディファイアを追加

オブジェクトモードでメッシュオブジェクトを選択し、「アーマチュア」モディファイアを新たに追加します。
既存のそれと合わせて、この時点では、ふたつの「アーマチュア」モディファイアが併存することになります。

メッシュの形状が変化しました。
既存と新規、ふたつの「アーマチュア」モディファイアでボーンの移動が2回分演算(45+45=90度)されている結果だと思います。

⑨新規の「アーマチュア」モディファイアを適用

ここで新規の「アーマチュア」モディファイアを「適用」します。

「適用」後、メッシュオブジェクトの編集モードを開きます。

「アーマチュア」モディファイアの反映を「レンダリング」時のみ選択した状態です。つまり、画像で確認できるのは、「アーマチュア」モディファイアの影響が無い状態、ということなります。

「アーマチュア」モディファイアの影響が無ければ、このボーンの位置とメッシュの状態が望んだ「Aポーズ」の形ですね。

次にアーマチュアオブジェクトの編集モードを開きます。

元々の「Tポーズ」のままですね。

次にアーマチュアオブジェクトのポーズモードを開きます。

ボーンはデフォルトの位置ではなく回転された状態であることを示しています。

現状は以下のようになっています。

  • メッシュの形状は「Aポーズ」がデフォルトの状態
  • アーマチュアは「Tポーズ」がデフォルトの状態
  • アーマチュアの「Aポーズ」はボーンの回転の結果

Blender Manualを参照します。

静止画用のため、もしくはアニメーションのためにアーマチュアがポーズをとるとき、「レスト位置(rest position)」という特定の状態を持っています。これはアーマチュア―のデフォルトの「形」で、 編集モードで設定される初期のボーンの位置/回転/倍率です。

https://docs.blender.org/manual/ja/latest/animation/armatures/introduction.html

ボーンが回転して「Aポーズ」を作るこの状態をデフォルトに、「レスト位置」にすれば良い、ということになります。

⑩「ポーズ」「適用」「レストポーズとして適用」

「適用」後、「回転:」の値が変化します。

アーマチュアオブジェクトの編集モードを開きます。

アーマチュアの位置が「Aポーズ」に変化しました。

次にメッシュオブジェクトの編集モード、オブジェクトモードを確認します。

「アーマチュア」モディファイアが「リアルタイム」等で全て反映される状態ですが、アーマチュアとメッシュの位置にズレはなくなりました。

以上で「TポーズからAポーズへ変換」作業は終了です。


余談

今回、「Tポーズ」と「Aポーズ」の比較動画を作るため、「Aポーズ」に編集したモデルをBlenderで再度「Tポーズ」に編集し直したモデルを作成しました。

上記のように、以下の方法で「Tポーズ」に編集しようとしました。

①ポーズモードの「X軸ミラー」をON
②編集モードで『左腕』のヘッドに3Dカーソルを合わせる
③3Dカーソルを中心として、『左腕』から先のボーンを回転させる

理由はわからないのですが、画像のような状態になってしまい、左右対称に移動させることができませんでした。

移動させる角度は45度と決まっているので、左右それぞれ同量移動させ「Tポーズ」に編集しました。

①ポーズモードの「X軸ミラー」をOFF
②編集モードで『左腕』のヘッドに3Dカーソルを合わせる
③3Dカーソルを中心として、『左腕』から先のボーンを回転させる

「左」を「右」に置き換えて②③の作業を行います。


孤立しているボーンは各『ひじ』の「移動付与」の付与親となるボーンです。これらの位置は、「レストポーズとして適用」後、編集モードで位置を調整しました。

もっとも、下の画像のように、このボーンを使って肘の位置を変更すると、肘から先のボーンが腕から外れてしまうため、扱いにくいと感じています。

このようなメッシュとボーンの位置のズレからどういった影響が出るのか、モーションを作ったことがないので、ちょっとわかりません。要勉強です。


終わりに

以上、追記でした。

今後もMMD Toolsを使用してBlenderでMMDキャラクターモデリングを続けていきたいと思います。

読んでくださった方、ありがとうございました。

追記:2023/9/15
デフォルトポーズの変更について新しく投稿をしました。

デフォルトポーズの変更 T → A
サイト名ページタイトルURL参考にした日付
Blenderhttps://www.blender.org/2022/12/11
Blender 3.4 Manualアニメ―ション&リギング/アーマチュア/はじめにhttps://docs.blender.org/manual/ja/latest/animation/armatures/introduction.html2023/1/19
UuuNyaa/blender_mmd_toolshttps://github.com/UuuNyaa/blender_mmd_tools2022/12/11
とある工房https://kkhk22.seesaa.net/2022/12/11
参考URL
作品名製作者様URL
ねこみみスイッチモーションhinohttps://bowlroll.net/file/421
お借りした作品

comment