【Blender】Active UV Loop Layer の切替


はじめに

BlenderでMMDモデルを趣味で制作しています。

MMDで動画を撮ろうとすると、舞台のギミック等を自力で作る必要があるかもしれない、と、ふと思いました。
思いついたオブジェクトを作って遊んでいたところ、気付いたことがあったので日記に記すことにしました。

今回のテーマです。

  • UVマップは複数作成して使い分けができる

「UV展開をしたら元のUV配置に戻せなくて、仕方なく画像をやり直した」
そんな経験はもうしなくて良さそうです。


尚、記事の内容については正確性を保証致しません。「解説」ではなく、個人のメモ、備忘録のような情報としてお読みください。
また、以下の環境でモデルの作成を行っています。

ソフト、アドオン
Blnender2.83LTS

UVマップの切替Ⅰ

UVマップ編集時、切替や新規作成についてです。

Active UV Loop Layerとは

Blender Manualの2.93LTS版では以下のように紹介されています。
(2.83LTS版には紹介がありませんでした。)

Active UV Loop Layer(アクティブUVループレイヤー)

使用する UVマップを選択します。

Blender Manual (https://docs.blender.org/manual/ja/2.93/editors/uv/introduction.html#interface)

選択できる、ということはつまり、UVマップは切替が可能です。
Active UV Loop Layerを切り替えることで、複数のUMマップを使い分けることができます。

  • ひとつのメッシュに対してUVマップは複数保存できる

UVマップの切替

Active UV Loop Layerの切替方法について、デフォルトのSuzanneで確認します。

UVマップ

オブジェクトデータプロパティから「UVマップ」を開くと『UVMap』という名称のアクティブUVループレイヤーが表示されます。

デフォルトの名称は『UVMap』ですが、変更可能です。

UVマップの新規作成

「+」ボタンをクリックすることで新しいUVマップを追加することができます。

新規で『UVMap.001』が作成されました。

選択されているUVマップには、背景にハイライトが付きます。

UVマップの切替

ヘッダーからUV Editingを開きます。

右側の3Dビューポートを確認すると、先程作成した『UVMap.001』が選択されています。
左のUVエディターでも同様に『UVMap.001』が表示されています。(黄色の楕円)

UVマップを『UVMap.001』から『UVMap』に切り替えます。

3Dビューポートで『UVMap』を選択しました。
UVエディターのUMマップの表示が『UVMap』に切り替わりました。
(両UVマップには同じUV配置が保存されているため、展開図は変化しません。)

UVマップの切替について簡単な動画を作りました。
尚、切替している様子が分かりやすいように『UVMap.001』のUV配置に変更を加えてあります。

Switching Active UV Loop Layer 1

UVエディターでUV配置を編集すると、現在選択されている(ハイライト背景の)UVマップにその変更が反映されます。
選択されていないUVマップにUVエディター上の編集は反映されません。

Switching Active UV Loop Layer 2

尚、UVマップの保存に必要な手順はなく、.blendを保存すれば自動で保存されるようです。

簡単にまとめます。

  • ひとつのメッシュに対してUVマップは複数保存できる
  • UVマップの選択を切り替えて、それぞれ編集ができる

UVマップを切り替える利点

個人の意見に過ぎませんが、大きなメリットがあると思います。

  • 既存のUVマップのコピーを保存できる

現状のUVマップをキープしておければ、何か操作ミスをしてしまっても安心ですし、より適切なUV配置を見つけるチャレンジがしやすいですよね。


UVマップの切替Ⅱ

あるメッシュに対して複数のUVマップを保存し、UVエディターでそれぞれのUVマップを表示・編集が可能、であることを前章で確認しました。

この章での、UVマップについて重要なポイントです。

  • UVエディターでの選択と、メッシュへの適用は、別の設定である

前章では、UVエディターで表示・編集するためにUVマップの「切替」をしていました。
これは、UVマップそのものに対して作業をするための選択の切替であって、編集されたUVマップがメッシュに影響を与えるか否か、は別の話になります。

では、UVマップの編集内容がメッシュにどう表れるのか確認するにはどうした良いのか?

編集したUVマップがメッシュに適用されていない場合、その編集内容はメッシュに反映されません。
つまり、編集したUVマップの影響を確認するためには、そのUVマップがメッシュに適用されている必要がある、ということです。

  • UVマップをメッシュに適用しないと編集した効果は確認できない

この章では、実際にメッシュに適用されるUVマップの「切替」について確認をします。
UVマップの「切替」と、メッシュに対応するマテリアル、画像テクスチャの関係について、が主な内容です。

UVマップの「選択」について

画像をご覧ください。

UVエディターで表示されるUVマップと画像テクスチャがずれています。しかし、3DビューポートではSuzanneの見た目に問題はなく、正しい状態です。

これは、UVエディターで選択されているUVマップと、メッシュに適用されているUVマップが異なっていることが原因です。

UVマップ
(メッシュ適用)
マテリアル
(メッシュ適用)
UVマップ
(UV Editor表示)
UVMap.000Material.000UVMap.001

UVエディターには『.001』のUVマップが表示されているが、一方でメッシュには『.000』シリーズが適用されている、という状態です。

  • UVエディターでは『.001』が選択されている(明灰色のハイライト)
  • メッシュでは『.000』が選択されている(カメラ(📷)アイコン)

この状況への対応について、以下で確認していきます。

UVマップの切替(メッシュ適用)

プロパティ「UVマップ」で表示されるカメラ(📷)のアイコンについて確認をします。

カメラ(📷)アイコンの意味

まず、上の画像を例に挙げると、カメラ(📷)のアイコンは『UVMap.000』で点灯しています。
これは、現在メッシュに適用されているUVマップが『UVMap.000』であることを示しています。

  • メッシュに適用されるUVマップにはカメラ(📷)アイコンが点灯

UVマップの切替(メッシュ適用)

メッシュに適用されるUVマップを切り替えます。その手順です。

  • 消灯しているカメラ(📷)アイコンをクリック

簡単な動画を作成しました。

Switching Active UV Loop Layer 3

ハイライトで表示されるUVマップは、UVエディターで選択されていることを示しています。
動画では、カメラ(📷)アイコンの点灯を切り替えていますが、UVエディターでの選択は操作していないため、ハイライトの位置に変更はありません。
(同時にUVエディターで表示されるUVマップも変更されません。)

UVマップの「切替」操作方法

第2章ではUVエディターで表示・編集する際のUVマップの「切替」について、この章ではメッシュに適用されるUVマップの「切替」について、ふたつの切替を確認してきました。

簡単にまとめます。

操作方法

  • UVエディターで表示・編集するUVマップの切替は名称の選択で行う
    (選択中のUVマップは、プロパティで明灰色のハイライトが付く)
  • メッシュに適用するUVマップの切替はカメラ(📷)アイコンで行う

余談

Blenderで表示されるガイドに拠る、設定項目の名称です。

  • Active UV Loop Layer Index (UVマップの名称)
  • Active Render (カメラ(📷)アイコン)

Active UV Loop Layer IndexをクリックするとUVエディターで表示・編集するUVマップが切り替わり、Active Renderをクリックするとメッシュに適用されるUVマップが切り替わる、と表現できます。


UVマップとマテリアル

UVエディターで作成したUVマップを元に画像エディターでテクスチャ画像を作成した場合、UVマップとテクスチャ画像には密接な繋がりが存在します。

同じメッシュに適用される時、両者は対になっている必要があり、対でないUVマップとマテリアル(テクスチャ画像)が組み合わされた場合、メッシュの配色は崩れてしまいます。

実験をしてそれを確認します。

実験の準備

UVマップを元にテクスチャ画像を作成しました。

UVMap.000
Material.000のテクスチャ画像
UVMap.001
Material.001のテクスチャ画像

これらのUVマップ及びマテリアルが、メッシュへの適用の組合せが変化する時、どのような影響があるのか確かめます。

実験

UVマップの選択とその影響の様子です。

例①です。

メッシュに適用されるUVマップと、メッシュに適用されるマテリアルが合っている状態です。

UVマップ
(📷アイコン)
マテリアルUVマップ
(UV Editor表示)
UVMap.000Material.000UVMap.000

続いて例②です。

こちらもメッシュに適用されるUVマップと、メッシュに適用されるマテリアルが合っている状態です。

UVマップ
(📷アイコン)
マテリアルUVマップ
(UV Editor表示)
UVMap.000Material.000UVMap.001

ただし、『UVMap.001』を選択しています。
UVエディターでは、『Material.000』のテクスチャ画像を背景に『UVMap.001』のUV配置が重なる、というややこしい状態です。

しかし、上述の通り、メッシュに適用されるUVマップとマテリアルは一致しているため、3Dビューポートの表示では問題はありません。

さらに例③です。

メッシュに適用されるUVマップと、メッシュに適用されるマテリアルが合っていない状態です。

UVマップ
(📷アイコン)
マテリアルUVマップ
(UV Editor表示)
UVMap.001Material.000UVMap.001

メッシュに適用されるUVマップを『UVMap.001』に変更したため、まさに左のUVエディターの状態が、実際にメッシュに反映されてしまっています。
Suzanneの目を見れば、これが正しい状態ではないことが分かると思います。

最後に例④です。

マテリアルの選択を変更しました。
メッシュに適用されるUVマップと、メッシュに適用されるマテリアルが合っている状態です。
メッシュにUVマップ『UVMap.001』とマテリアル『Material.001』が適用されています。

UVマップ
(📷アイコン)
マテリアルUVマップ
(UV Editor表示)
UVMap.001Material.001UVMap.001

UVエディターの背景が『Material.000』のテクスチャ画像ですので、これは正しくありません。
ただ、これはいちどヘッダーからエディターを切り替え戻ってくる等、画面の更新をすれば解決します。

隣のTexture Paintを開きUV Editingを開き直すと、画像のようにすべて正しい状態で表示されました。

まとめ

メッシュに適用されるマテリアルの画像テクスチャが、メッシュに適用されるUVマップを元に作成されたものでないと、配色とUV配置が合わないためメッシュの見た目がおかしくなる、ということです。

選択されたマテリアルは選択されたUVマップに対応しているのか、カメラ(📷)アイコンで判断し、混乱しないように注意が必要かな、と感じました。

今回のまとめです。

  • UVマップは複数保存できる
  • メッシュに適用されるUVマップとマテリアルを一致させる

区別がつきやすいように、UVマップとマテリアル、テクスチャ画像の名称に一貫性をもたせた方が良いかな、と思います。


終わりに

UV配置が崩れてしまうのが怖くて、なかなかUV Editingで遊ぶことができないな、感じていたのですが、これからはいろいろチャレンジできそうな気がしています。

今回は以上です。読んでくださった方、ありがとうございました。

サイト名ページタイトルURL参考にした日付
Blenderhttps://www.blender.org/2022/12/11
Blander Manualhttps://docs.blender.org/manual/ja/2.93/editors/ue2023/3/29
参考URL

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